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個別指導(医科)での精神科専門療法、処置、手術のチェックポイントです。保険診療の指導監査の対応は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療確認事項リスト(8):精神科専門療法、処置、手術

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導の対応業務を行っています。

指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、厚生労働省の保険局医療課医療指導監査室が公表した、医科の保険診療確認事項リスト(精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療の部分)をご紹介します。平成30年度改訂版ver.1809に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

また、個別指導については、以下のコラムもご参考下さい。
1 個別指導(医科)の上手な対応法

精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療

 1 精神科専門療法

□(1)入院精神療法(Ⅰ)[I001] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・精神保健指定医以外の医師が実施している。
 □・精神療法を行った時間が30分未満である。
 □・診療録への当該療法に要した時間の記載がない 。
 □・診療録への当該療法の要点の記載が[ ない ・ 不十分である ]。

□(2)入院精神療法(Ⅱ)[I001] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・診療録への当該療法の要点の記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 
□(3)[ 通院 ・ 在宅 ]精神療法 [I002] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・[ 当該診療に要した時間 ・ 診療の要点 ]の診療録への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・家族関係が当該疾患の原因又は増悪の原因と推定される場合でないにもかかわらず、患者の家族に対する通院・在宅療法として算定している。
 □・患者の家族に対する病状説明、服薬指導等一般的な療養指導について算定している。

□(4)(その他の)精神科専門療法について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・精神科継続外来支援・指導料 [I002-2] について、症状、服薬状況及び副作用の有無等の確認を主とした支援・指導の要点について診療録への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・標準型精神分析療法 [I003] について
  □・[ 診療の要点 ・ 診療時間 ]の診療録への記載が[ ない ・ 不十分である]。
  □・診療に要した時間が45分を超えていない。
 □・認知療法・認知行動療法 [I003-2] について、[ 診療の要点 ・ 診療時間 ]の診療録への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・心身医学療法 [I004] について
  □・治療計画がない。
  □・診療録への要点の記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・入院集団精神療法 [I005] について、個々の患者の診療録への実施した療法の要点の記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・精神科作業療法 [I007] について、実施した療法の要点について個々の患者の診療録等への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・精神科[ショート・ケア ・ デイ・ケア ・ ナイト・ケア ・ デイ・ナイト・ケア][I008-2][I009][I010][I010-2]
  □・[ 当該診療に要した時間 ・ 診療の要点 ]の診療録等への記載が[ ない ・不十分である ]。
  □・週4日以上算定できる場合に該当しないにもかかわらず、算定している。
 □・精神科訪問看護・指導料[I012]について
  □・医師の保健師等に対して行った指示内容の要点について、診療録への記載が[ ない・ 不十分である ]。
  □・保健師等が医師の指示に基づき行った指導の[ 内容の要点 ・ 開始時間 ・ 終了時間 ]についての記録が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・精神科訪問看護指示料 [I012-2] について、交付した精神訪問看護指示書等の写しを診療録に添付していない。
 □・抗精神病特定薬剤治療指導管理料[ 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料 ・ 治療抵抗性統合失調症治療指導管理料 ][I013] について、[ 治療計画 ・ 指導内容の要点 ]の診療録への記載が[ ない ・ 画一的である ・ 不十分である ]。
  □・持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料について、統合失調症の患者以外の患者に対して算定している。
 □・医療保護入院等診療料 [I014] について、診療録への[ 治療計画 ・ 患者への説明]の要点の記載がない。
 □・重度認知症患者デイ・ケア料 [I015] について、精神症状及び行動異常が著しい認知症患者(「認知症高齢者の日常生活度判定基準」がランクMに該当するもの)ではないものについて算定している。

 2 処置

□処置料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □処置については、適宜、医学的な必要性、有効性の評価を行い、長期に漫然と実施しないように留意すること。

□(1)[ 創傷処置 ・ 熱傷処置 ・ 皮膚科軟膏処置 ・ ] [J000][J001] [J053] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・処置を実施したこと及び処置した範囲を診療録等に記載していない。
 □・熱傷処置「1」について、診療録に熱傷深度の記載が不十分である。
 □・実際に[ 創傷処置 ・ 熱傷処置 ・ 皮膚科軟膏処置 ・ ]を実施した範囲と異なる範囲の区分で算定している。
  □(例:「 ㎠以上 ㎠未満」を「 ㎠以上 ㎠未満」で算定している)
 □・創傷処置について創傷の治療による患部範囲の縮小に伴った減点をしていない。

□(2)重度褥瘡処置 [J001-4] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・診療録に創傷面の深さ及び広さの根拠が記載されていない。
 □・診療録に重度の評価が記載されていない。

□(3)人工腎臓 [J038] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・区分を誤って算定している。本来( )で算定すべきものについて、( )で算定している。
 □・継続して血液透析を実施する必要のない緊急透析の患者に対して導入期加算を算定している。
 □・人工腎臓を行った時間(開始及び終了した時間を含む。)の診療録等への記載が[ ない ・ 画一的である ]。
 □・障害者加算
  □・著しく人工腎臓が困難なものに該当しない患者に対して算定している。
  □・糖尿病の病名のみで、頻回の処置検査がない患者に対して算定している。

□(4)下肢末梢動脈疾患指導管理加算 [J038] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・慢性維持透析を実施している全ての患者に対してリスク評価を行っていない。
 □・「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」等に基づく適切なリスク評価が行われていない。

□(5)・[ 血漿交換療法 ・ 吸着式血液浄化法 ] [J039][J041] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・適応外の患者に実施したものについて算定している。

□(6)鼻マスク式人工呼吸器を用いた人工呼吸 [J045] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・PaO2/FiO2が300mmHg以下又はPaCO2が45mmHg以上の急性呼吸不全の場合に該当しない場合に算定している。

□(7)尿道拡張法 [J066] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・通常の導尿(基本診療料に含まれるもの)について、導尿(尿道拡張を要するもの)として算定している。
 □・診療録に必要性、適応病名の記載がないにもかかわらず、繰り返し実施されている。

□(8)硬膜外自家血注入 [J007-2] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・硬膜外自家血注入について、関係学会の定める脳脊髄液漏出症の画像診断基準に基づき、脳脊髄液漏出症として「確実」又は「確定」と診断されたものに該当しないにもかかわらず、算定している。

□(9)消炎鎮痛等処置 [J119] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・医師の指示、実施内容の診療録への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・医学的な必要性、有効性の評価がなされておらず、長期漫然と実施されている。
 □・湿布処置について、算定要件を満たさない狭い範囲に実施したものについて算定している。

□(10)処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・血腫、膿瘍穿刺 [J059-2] について、小範囲のものについて算定している。
 □・睫毛抜去 [J089] について、少数の場合であるにもかかわらず、多数の場合として算定している。
 □・皮膚科光線療法 [J054] について、診療録への[ 医師の指示 ・ 実施した療法の内容 ]に ついての記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・いぼ冷凍凝固法 [J056] について、部位数ではなく個数で算定している。
 □・扁桃処置 [J098-2] について、処置内容の診療録への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・耳垢塞栓除去(複雑なもの) [J113] について、耳垢水等を用いなければ除去できない耳垢塞栓を完全に除去したことが明らかではない。

 3 手術

□(1)手術料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □① 施設基準に適合しておらず、算定できないものについて算定している
  □手術名( )
  □施設基準に適合しない具体的内容( )

 □② 本来算定すべき術式と異なる術式で算定している。
  □本来 で算定すべきものについて で算定
  □本来 で算定すべきものについて で算定
  □本来 で算定すべきものについて で算定

 □③ 点数表にない特殊な手術(点数表にあっても、手技が従来の手術と著しく異なる場合等を含む。)の手術料について、事前に当局に内議することなく、点数表を準用して算定している。

 □④ 実際には[ 検査 ・ 処置 ]であるものについて、手術として算定している。
 
 □⑤ 院内感染防止措置加算 [第2章第10部通則11] について、加算の対象ではない患者に対して算定している。

□(2)手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・手術の内容、合併症及び予後等を文書を用いて詳しく説明していない。
 □・説明した内容について、[ 文書で交付 ・ 診療録に添付 ]していない。
 □・実際に行われた手術と説明文書の内容が異なっている。
 □・患者への説明が困難な状況であったものについて、[ 事後の説明を行っていない ・事後に説明を行った旨を診療録に記載していない ]。
 □・手術記録について、適切に記載していない。
 □・処置や検査として認識し、実施しており、手術についての説明や記録がなされていない。
 □・切・刺・割創又は挫創のいずれにも該当しないものについて、創傷処理を算定している。
 □・創傷処理について、診療録に図示されているが、創傷面の長径/短径についても記載するよう留意すること。
 □・胃瘻造設時嚥下機能評価加算[K939-5]について
  □・[ 嚥下機能評価の結果 ・ 患者又はその家族等に対する説明の要点 ]について診療録への記載がない。

□(3)輸血料 [K920] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・必要性の乏しい患者に対して輸血を行っている。(厚生労働省医薬食品局から示されている指針に準拠していない例)
 □・輸血に当たっては「「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」の一部改正について」(平成26年11月12日付薬食発1112第12号厚生労働省医薬食品局長通知)及び「「血液製剤の使用指針」の改定について」(平成29年3月31日付薬生発0331第15号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)を遵守し、適正に実施すること。
 □・文書により輸血の必要性、副作用、輸血方法及びその他の留意点等について、患者等に説明していない。
 □・説明に用いた文書について、[ 患者等から署名又は押印を得ていない ・ 交付していない ・ その文書の写しを診療録に貼付していない ]。
 □・一連ではない輸血の実施に際して、その都度、輸血の必要性、副作用、輸血方法及びその他の留意点等について、患者等に対して文書による説明を行い、同意を得ていない。
 □・文書での説明に当たって、参考様式で示している項目の一部([主治医氏名 ・種類・使用量 ・ 必要性 ・ 輸血を行わない場合の危険性 ・ 副作用 ・ 感染症検査・ 患者血液の保管 ・ 副作用 ・ 感染症救済制度 ])の記載がない。
 □・術中術後自己血回収術 [K923] について、出血量が600mL未満であるものについて算定している。

 4 麻酔

□(1)静脈麻酔 [L001-2] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・静脈注射用麻酔剤を用いた全身麻酔に該当しないものについて算定している。
 □・静脈注射用麻酔剤による全身麻酔とされているが、[ 閉鎖循環式全身麻酔回路を使用していない ・ 専従の麻酔担当医を配置していない ・ 麻酔記録の記載がない ]。

□(2)精密持続注入加算 [L003] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・携帯型ディスポーザブルPCA用装置及び携帯型ディスポーザブル注入ポンプの材料を算定しているにもかかわらず、本加算を算定している。

□(3)閉鎖循環式全身麻酔 [L008] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・厚生労働大臣の定める麻酔が困難な患者ではない者について、麻酔が困難な患者として算定している。
 □・閉鎖循環式全身麻酔器を患者に接続した時刻及び離脱した時刻を麻酔記録に記載していない。
 □・麻酔の種類等における実施時間についての理解が不適切である。
 □・麻酔の種類等における点数区分についての理解が不適切である。
 □・硬膜外麻酔加算についての理解が不適切である。
 □・閉鎖循環式全身麻酔ではない例で算定している。
 □・術中経食道心エコー連続監視加算について、誤った算定をしてる。
 □・本来( )で算定すべきものについて、( )で算定している。

□(4)麻酔管理料(Ⅰ) [L009] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・地方厚生(支)局長に届け出た常勤の麻酔科標榜医以外の者が[ 麻酔 ・ 術前診察・ 術後診察 ]を行ったものについて算定している。
 □・緊急の場合でないにもかかわらず、麻酔[ 前 ・後 ]の診察を麻酔を実施した日に行っている。
 □・麻酔[ 前 ・ 後 ]の診察等に関する診療録等への記載が[ ない ・ 不十分である ]。

□(5)麻酔管理料(Ⅱ) [L010] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・常勤の麻酔科標榜医(常勤換算により常勤医師数に算入された非常勤の麻酔科標榜医を含む。以下同じ。)の指導の下に行われていないものについて算定している。
 □・常勤の麻酔科標榜医が指導を行ったことが確認できない。
 □・麻酔を担当する医師が麻酔前後の診察を行っていないものについて算定している。
 □・緊急の場合でないにもかかわらず、麻酔[ 前 ・ 後 ]の診察を麻酔を実施した日に行っている。
 □・麻酔[ 前 ・ 後 ]の診察等に関する診療録等への記載が[ ない ・ 不十分である ]。

□(6)神経ブロック [L100] について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・神経ブロックの実施内容を診療録に記載していない。
 □・神経ブロックを実施していない例について算定している。

□(7)麻酔について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・麻酔法の選択にあたっては、必要に応じ、妥当適切な方法を選択すること。
 □・表面麻酔に用いる薬剤[ ]について、量が過剰である。
 □・麻酔、神経ブロックの際に使用する外皮用殺菌剤について算定している。
 □・静脈麻酔(十分な体制で行われる長時間のもの)について、閉鎖循環式全身麻酔に移行できる準備を行わずに実施している。
 □・静脈麻酔(十分な体制で行われる長時間のもの)について、医療機器等を用いた十分な監視下で実施していない。
□・全身麻酔において、麻酔記録を記載していない。

 5 放射線治療

□(1)放射線治療について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □① 放射線治療管理料 [M000]
  □・線量分布図に基づいた照射計画を作成していない。
  □・放射線治療専任加算
  □・放射線治療を専ら担当する常勤の医師が[ 照射計画の策定 ・ 医学的管理 ]を行っていない。
 □② 放射性同位元素内用療法管理料 [M000-2]
  □・説明・指導した内容等を診療録に記載又は添付していない。

□(2)放射線治療について、次の不適切な例が認められたので改めること。
 □・[ ガンマナイフによる定位放射線治療 ・ 直線加速器による放射線治療 ] [M001-2][M001-3] を算定しているものについて、位置決め等に係る画像診断の費用を算定している。


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指導監査のコラム


医科の指導監査のコラムです。
個別指導、監査の際に、また日常の医院運営、臨床にご活用下さい。

 保険診療の確認事項リストのコラム

1  保険診療確認事項リスト(1):診療録、傷病名

2  保険診療確認事項リスト(2):基本診療料(初診料)

3  保険診療確認事項リスト(3):医学管理(特定疾患治療管理料)

4  保険診療確認事項リスト(4):在宅医療(訪問診療料)

5  保険診療確認事項リスト(5):検査、画像診断、病理診断

6  保険診療確認事項リスト(6):投薬、注射、薬剤料

7  保険診療確認事項リスト(7):リハビリテーション

8  保険診療確認事項リスト(8):精神科専門療法、処置、手術

9  保険診療確認事項リスト(9):薬剤(薬剤管理指導料)

10 保険診療確認事項リスト(10):看護、食事、寝具

11 保険診療確認事項リスト(11):管理、請求事務、施設基準

12 保険診療確認事項リスト(12):包括評価(DPC)

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消

3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求

4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正

5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成

6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分

7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分

8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

9  保険医取消の実例:個別指導の中断、中止、監査での取り消し

10 保険医取消の実例:架空請求の情報提供での保険医の取り消し

11 保険医取消の実例:廃止した医院への個別指導を経ない監査

12 保険医取消の実例:患者の情報提供による個別指導

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